昭和20年 終戦とともに樺太から現在の地に引き上げ、昭和25年に初代が入植しました。その頃、4haほどの畑を持っておりましたが、畑以外は一面雑木林が広がっており、馬と共にしながら木を切り、土地をおこしながら開墾を進めてきました。
畑の整備が進む中、初代の急死により、それまで酪農経験の無かった二代目が後を継ぐ事となりました。地域の酪農家の方々より牛飼いとしての技術を学びながら酪農業を営む経過の中で、なかなか思い通りに進まない経営に苦悩していました・・・
昭和57年に経営悪化を契機に本格的に酪農を勉強し飼料給与法の改善を行いました。昭和60年に草地酪農の本場ニュージーランド・オーストラリアにて研修を行い、池田牧場で今現在行われている放牧主体の酪農スタイルへの移行を行いました。
1950年 | 初代が入植 |
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1977年 | 初代の急死により二代目へ経営委譲 |
1985年 | ニュージーランドへ農業研修 |
1991年 | 第24回宇都宮賞(酪農経営の部) 受賞 |
1999年 | 天皇杯(畜産部門) 受賞 |
2001年 | 北海道産業貢献賞 受賞 |
2004年 | 乳製品製造工房の購入 |
2005年 | ペレアイス(イチゴ) 販売開始 |
2006年 | ペレアイス(ハマナス)・黄金伝説 販売開始 |
2007年 | ペレジャム(ミルク) 販売開始 |
2013年 | ペレジャムみるくようかん 販売開始 |
2014年 | 新築牛舎建設(フリーストール、ミルキングパーラー) |
2015年 | ペレアイスから「放牧牛アイス」へ一本化 |
2016年 | 三代目へ経営継承 |
2018年 | 「iカタラーナ(現在の牧場カタラーナ)」販売開始 放牧認証 取得 アニマルウェルフェア認証 取得 |
2023年 | 有機飼料認証 取得(放牧地のみ) |
「牛にできることは牛に任せ、人は自然の中で牛が快適に過ごせる環境を作ること」。そして、「浜頓別町の風土に根差した土・草・牛づくりを続けること」。それが、2代目・池田邦雄の酪農経営のモットーでした。
酪農のあるべき姿を目指して最初に取り掛かったのは、生物多様性に富んだ「土づくり」。栄養をしっかり蓄えた品質の良い牧草を育てるためには、牛の排出物を自然の力で分解できる土でなくてはなりません。その力になってくれるのが土壌中の微生物たち。そこで、池田牧場の土地に存在する微生物がより暮らしやすい環境になるように、土壌のミネラル成分や構造などを整えました。
そして、「草づくり」。数ある牧草の中でも栄養価が非常に高く、生育が旺盛なペレニアルライグラスを国内で初めて導入した挑戦が、現在の池田牧場の放牧飼養を支える礎になっています。
これらの取り組みと並行して進めてきたのが、放牧に適した「牛づくり」。足腰が強く、寒冷地の寒さにも耐えられる牛群改良や飼育環境の改善を続けてきました。
自然本来のサイクルを重視した「土⇒草⇒牛⇒人・土」の一連の取り組みは、健康な牛をつくり、安全・安心な乳生産へとつながっています。そして、環境負荷の軽減、自然との共存にもつながっているのです。
3代目・池田辰実は生まれも育ちも浜頓別町で、幼い頃より大自然と牛が身近にある生活を過ごしてきました。海・山・川・湖や原野に恵まれ、数々の渡り鳥たちが羽を休める浜頓別町。その風土に従い、自然に逆らうことなく牛を飼う。そして、環境負荷軽減を先行し、生態系の保全と持続可能な酪農スタイルを追求する。先代の思いや取り組みを引き継いだ上で、時代の流れを見据えながら牧場の発展を進めていくことをモットーとしています。
様々な食物に旬があるように、牛乳にも季節ごとの奥深い味わいがある。それに気づかせてくれたのは、四季が明確な浜頓別町だからこそ。牧草にも季節ごとの彩りが存在し、そこから生まれる生乳は自然と共にある放牧酪農・放牧乳ならではの楽しみと言えるでしょう。
池田牧場はお客さまとのコミュニケーションを大切にしながら、食の安全・安心とおいしさを追求し、酪農業や地域の魅力を「商品と情報」を通じて発信していきます。そして、科学の英知や経験に裏打ちされた知恵を後世へと伝えながら、価値の創造と向上に尽力していきます。